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ミステリの神業を見よ。著者会心の一撃は、“小説ならではの企み”を追求した圧巻の集大成!!
「今回は、昔の自分には絶対不可能だったと言い切れる、自信作。僕が理想とするミステリのかたちがいくつかあるのですが、そのうちの一つが書けました。」――道尾秀介
埼玉で小料理屋を営む藤原幸人のもとにかかってきた一本の脅迫電話。それが惨劇の始まりだった。昭和の終わり、藤原家に降りかかった「母の不審死」と「毒殺事件」。真相を解き明かすべく、幸人は姉の亜沙実らとともに、30年の時を経て、因習残る故郷へと潜入調査を試みる。すべては、19歳の一人娘・夕実を守るために……。なぜ、母は死んだのか。父は本当に「罪」を犯したのか。村の伝統祭〈神鳴講〉が行われたあの日、事件の発端となった一筋の雷撃。後に世間を震撼させる一通の手紙。父が生涯隠し続けた一枚の写真。そして、現代で繰り広げられる新たな悲劇――。ささいな善意と隠された悪意。決して交わるはずのなかった運命が交錯するとき、怒涛のクライマックスが訪れる。
以下、PRtimesより
「小説」でしか味わえない魅力を追求しつづけ、本書が集大成
道尾さんはこれまで「小説でしか味わえない魅力」「新しい読書体験」を追求されてきました。なかでも本書で仕掛けられた“小説ならではの企み”は現時点におけるキャリアの集大成だと言います。
「今回は物語の後半に、ある一枚の画像が登場します。その画像は、密かにある真実を読者の前に提示します。この仕掛けは、物語自体が文章でつくられているからこそ成り立つものです。小説は、こうしていろいろなものを内部に取り入れることができるので、やはり最強のエンターテインメントだと思っています。
中でも今回は、昔の自分には絶対不可能だったと言い切れる、自信作。僕が理想とするミステリのかたちがいくつかあるのですが、そのうちの一つが書けました。」
タイトルに込めた思い、テーマとして掲げる「神」
過去に発表した『龍神の雨』、『風神の手』に続き、今回は『雷神』。なぜ「神」と名がつく作品を書き続けてきたのか、そのタイトルに込められた意味とは。
「この世には人間が絶対に結果を計算しきれないものが無数にあり、それらが複雑に絡み合って世界を形成しているという思いがあります。それを「偶然」と呼ぶのか、「運命」と呼ぶのか、「奇跡」と呼ぶのか、人それぞれかと思いますが、僕はその現象を、何か形として目に見えるものに託したくて、誰もが一度は像を見たことがある三体の神様に託しました。」
こんなミステリーが読みたかった。刊行前から歓喜&驚愕の声多数!!
●隠し隠され、探り探られ……。蠢く黒雲のごとき「謎」のアラベスクから、狙いすました雷撃が読み手を貫く。道尾ミステリが到達した、不条理劇の極み!宇田川拓也さん(ときわ書房 本店) ●終章のどんでん返しの先に読者を襲う哀しみ……。あなたはそれに耐えられますか 三島政幸さん(啓文社 西条店) ●ああ、繋がってしまった……哀しいことに。ここまでするか、道尾秀介。岩枝泉さん(宮脇書店 徳山店) ●ラストシーンに「あああ」と声がもれた。容赦なしやん!!石坂華月さん(未来屋書店 大日店) ●えっ?!えっ?!えっー?!っと何度も声をあげてしまいました。山本智子さん(文真堂書店 ビバモール本庄店)●ミステリとして、鋭利な日本刀のような切れ味と、ラストの鈍器のようなサプライズの衝撃に殺られる、道尾作品史上最高で最大の凶器だ!阿久津武信さん(くまざわ書店 錦糸町店) ●道尾秀介さんの到達点!!空白を埋める真実の線、記憶の線が過去と現在、天と地を繋ぐ雷となり全貌を照らし出す!齊藤一弥さん(紀伊國屋書店 仙台店) ●物語の着地の素晴らしさに惚れ惚れしました!!とても面白かったです!!!西田有里さん(ジュンク堂書店 名古屋栄店) ●秀逸なミステリーだけでは片付けられない、そんな生易しいものではない。山中真理さん(ジュンク堂書店 滋賀草津店) ●運命の皮肉を感じさせる展開は神がかっている!心の闇を照らしつける鮮やかな光明が見事。まさに雷に打たれたような衝撃的な物語だ!内田剛さん(ブックジャーナリスト) 現代に蘇った横溝正史的世界を通して、何がひとの心に殺意を呼び込み、何が運命をねじ曲げるのかを描ききった、道尾秀介ならではの境地。千街晶之(ミステリー評論家)